休日返上 社員旅行(その2) | 社畜と呼ばれた黒糖のブラックカンパニー体験談


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バスが到着したのは裏通りに行ったところにある
田舎道の先であった

え、こんな鄙びた(ひなびた)ところにホテルがあるのだろうか
※鄙びた:閑として田舎っぽい場所

なんというか雑木林を伐採して整備されていないような
田舎の駐車場というのだろうか、砂利ばかりの駐車場にバスは停車した

いや、こういう鄙びたところには幻の秘湯と謳われし何か
そういうものがあるのかもしれないし、見た目で判断してはいけないな
ホテルのようなものが目視できないけど…

困惑をよそに専務は楽しそうに周囲を見渡している

そうすると見たことのある顔をしたホテルの関係者らしき男性がやってきた
呼び方に困るので支配人と呼ばせてもらおう

支配人がようこそいらっしゃいました!と歓迎してくれる
専務はもう上機嫌に対応しているし、社長も微笑ましく見ている
役職の方も来てよかったといった感じだ

当然、
若手の連中は何が悲しくてこんなところに…というような感じだったが
なんとか社員旅行を穏便に終わらせなくてはならない

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社員旅行という名の戦いが始まった

支配人にこちらにどうぞ、と案内される
連れて行かれている方向が雑木林の方なのだけど
この先にホテルがあるのだろうか

察しのいい貴方のことです、もう想像できていることでしょう

そう、小さな丸太小屋みたいなところに案内されたと思ったら
ここがあなたの宿泊する部屋になりますというもんだから困ったものだ

しかも、狭い小屋に若手社員6人が詰め込まれて泊まるという話で
仕切られた狭い寝床以外のスペースがまったくないと言っていい
二段ベットになっているが布団がなく、代わりに寝袋が置かれている
社員旅行に来て寝袋で眠らされるハメになるとは思わなかった

この小屋、そもそも一人で宿泊することになっても広くないぞ…

荷物を自分の寝床に置いていると、もぞもぞと動く物体があった
ベットには自然あふれる蜘蛛さんや小さな虫が息づいていたのだ
幸い、子供の頃から虫には親しみがあったので特段気にならなかったが
先輩社員は虫が苦手のようで小屋はパニックに陥った

おいおい、男6人で虫ぐらいでパニックを起こすなよ…

虫が出現しないところを先輩社員が寝床とし
虫が出現するところを我ら新入社員が寝床とすることになった

そんなことをしていると集合するようにと同僚が小屋を訪れる
話を聞いてみると宿泊するところは同じような狭い小屋だそうな
専務もなんだって、こんなところが良いと思ったのだろう

っていうか、専務とかも同じような小屋で寝て大丈夫なのかな

そんな心配は一瞬にして吹き飛ばされることになった
集合してみると社長が不機嫌そうな顔で迎えてくれた
そう、宿泊施設があんな小屋なんて想像していなかったそうなのだ

社員旅行の幹事に怒りをぶつける社長
役職の方からも非難の言葉を浴びせられている

なんだ、集合させてみんなの前で幹事を吊るし上げるつもりなのだろうか
一体なんのつもりで集合させたのか理解できない

ある程度、怒りを発散したのか
落ち着きを取り戻したところで社長から出た言葉は

「近場のホテルにわれわれは宿泊する
もうわれわれも歳だから、こんなところではとても眠れない
若い君たちにはなかなか体験できない貴重な体験だ
存分に大自然を満喫し日頃の疲れを癒して欲しい」

どういうこと
とても眠れないような場所で何をしろというのだろう

専務が自ら宿泊したいとこの地を選んでおいて
社長と専務、一部の役職は近場のホテルを急遽借りて泊まり
上司たちは小屋ではなく、建物の一室に宿泊するという

これが階級社会、身を持って身分を知れということなのかもしれない

そんなことを思っていると支配人の部下がわれわれに近づいてきた

「夕食の準備がありますので、皆様こちらにお集まりください」

バーベキューでも行うのだろうか
大自然の中で、そういう食事を頂戴できるというなら
寝床には不満があるが、悪くもないだろう

そう期待したのが間違いだった

案内された先についてみると
大きな鍋がいくつか置いてあるだけだった
夕食は自炊しなくてはならないらしい

鍋のあるところにチームごとに別れて
用意されていた鶏肉とご飯を支配人の部下から説明を受けつつ
調理していくことになった

しかも火熾しから体験させてもらえるのだから
ありがたくて涙が出てきそうだった

調理も苦労しながらだったけど
なんとか食べられるレベルのものが出来上がった

というか、男ばっかりだからかもしれないけど
みんな料理とかやったことないのだろうかと
思われるようなひどい有様だった

ありがたーい社長のメッセージを受け
ありがたい幹事さんの懺悔を聞いて
ありがたい支配人の部下の話を聞いて
ようやく、われわれは食事をいただけることになった

空腹は最高の調味料というが
最高の調味料を持ってしても、微妙な味の料理だった
しかし、食べなければ生き残れない

みんなで残さず、おいしくいただきました!

食べ終わったら風呂の時間だと
集合するように言われたので集合場所へ向かおうとすると
支配人の部下から鍋を渡される

そう、食器や鍋も自分で使ったものは綺麗に洗わなくてはならないのだ

当然のごとく、鍋を洗うことを強いられて
みんなはお風呂に向かうため集合しているという、ああっ無情…

なんとか洗い物を終わらせ、支配人の部下にOKをもらったところで集合場所へ
お風呂はバスに乗ってスーパー銭湯へ行くそうだ

スーパー銭湯は素晴らしいものだった
時間が限られていたので堪能とまではいかなかったが
社員旅行の中で一番素晴らしいと思った
風呂あがりにコーヒー牛乳の瓶を購入して飲んだり醍醐味は味わった

お風呂も済んで、社長と専務たちはホテルに向かい
われわれは宿泊先の小屋へとバスで向かうことになった

休日返上 社員旅行(その3)へ つづく

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