同期メンバーの中
最年長新入社員である彼は同期の中でも頭一つ抜きん出ていた
いや、心持ちや経験も合わせればズバ抜けていたと言っても過言ではないだろう
そんな彼が配属された先はCOBOLを使用する現場であり
正直、新卒の新入社員が配属されるレベルではない環境であった
しかし、最年長の彼は技術的にも精神的にも大丈夫だと判断され
その過酷な出向先に配属されることになったのだが
ときより本社のイベントで顔を合わせても職場について語ることは少なかったが
本社のイベントで開催された酒の席で
「うちの会社は黒いよ… 本当に…」
ということをしんみりと話していたことを思い出した
やはり社会というのは厳しいのだ、自分だけではないのだと
聞いた当時はヘンな安心感を抱いていたが
ブラック企業を意識するようになってからは重いセリフだと感じる
そんなある日の夜
帰宅途中の深夜に携帯電話が振動しているので
何事かと思い確認してみると一通のメールが届いていた
メールの差出人は最年長である同期の彼からであった
内容を見てみると
「今週の金曜日、ぜったいに飲みにいきましょう」
彼とはプライベートで関わりを持つことが皆無であり
今度飲みに行こうというような話をしたことも一度もない
もしかして、誰かと間違えてメールを送ってしまったのではないか
そう思った黒糖は
「お疲れ様です、お久しぶりですね
メールの宛先をお間違いではありませんか
黒糖のもとに飲みのお誘いメールが届いております」
というような内容でメールを返信することにした
翌日
最年長の彼から折り返しメールが届いた
「間違いじゃないです、金曜日ぜったい飲みに行きましょう」
すごいプッシュだ、なにかあったのだろうか
不思議に思いながらもせっかくのお誘いなので受けることにした
その後、音沙汰無しであったが
木曜日の終わり頃になっても具体的に時間や場所の指定がないものだから
心配になってメールを送ってみるも、その日返信が来ることはなかった
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